Zoomによるハイブリッドイベントやハイブリッド講演会で、N-1の知識と運用が大切だというお話は以前しました。
また、このページを見に来てくれている方の多くは、Zoomによるハイブリッドイベントやハイブリッド講演会などで「ハウリング」に悩まされた結果、たどり着いたのかなぁとも思います。
Zoomによるハイブリッドイベント・講演の成功の肝はN-1
この図は、Zoomの音声をオーディオインターフェースで入出力させ、ある貸会場のミキサー(PA音響設備)を使用して、N-1を組んだ時のものになります。16chの入力に関しては、会場設備としてプロジェクター投影用のHDMI入力の音声が入るようになっており、ここにZoomの会場視聴用のPCも接続しました。
ですが、このPCとは別に、Zoomのホスト用PCを会場の音声入出力PCとしました。オーディオインターフェースもそのホストPCに接続し、Zoomの音声出力、Zoomへの音声入力を、会場設備であるミキサーを使用して構築しています。
ここの会場にあるミキサーは、AUXという出力があり使う事が出来たので、PA音響機器に関しては会場の設備でN-1を作り、ハイブリッドイベントを開催することが出来ました。 会場出演者のマイクや開演前のBGMを出すためのCDなどが、フェーダーに入力されています。フェーダーを上げれば、会場のスピーカーからそれらの音が出ます。
ここに、持ち込んだZoomホストPCのオーディオインターフェースのOUTを、15chに入力します。ここでは、オーディオインターフェース側が「RCA」という端子形状。ミキサー側が「6.3mmTSフォーン」という端子形状になっています。この端子形状に関しても、音響機器ではいくつかの形があるので、会場の機材に合わせたケーブルや端子のものを用意する必要があります。
ミキサーのZoom用出力はAUX1という所から出します。よってミキサー側は「6.3mmTSフォーン」という端子形状。オーディオインターフェース側が「RCA」という端子形状になります。このように、ミキサーとオーディオインターフェース(PC)の入出力を互いに接続してあげます。
この様に接続すると、15chのフェーダーを上げると、会場のスピーカーからZoomの音が出るようになります。音量は、PCの出力音量をあわせ、フェーダーを既定の位置(0)に上げてちょうどいい音量になるように、ミキサーのGAINつまみを合わせる感じとなります。
会場の音声をZoomに返してあげる必要があります。これはAUX1を使用しました。このミキサーのAUX1はPostフェーダーとなっており、AUX1のつまみを上げていても、フェーダー位置に応じた音量しか出力されないものになります。(対してPreフェーダーのものもあります。これはフェーダー位置に関係なくAUXのつまみの位置の出力で出続けるものになります) Postですので、フェーダーを絞っている=会場でマイクが出ていなければ、Zoomにも送られていない。また、会場で音(声)が小さいなと音量を上げれば、Zoomでも音が大きくなるという事になります。便利でわかりやすいですよね。
会場のマイクやBGM用のCDなどのAUX1つまみを真上(12時)から右(1時)くらいまで上げて、AUX1のマスターフェーダーをやはり真上(12時)から右(1時)くらいまで上げます。そして、PCのZoomのマイク入力音量で適切な音量に調整してあげます。もしこの時、音が割れている場合は、オーディオインターフェース入力時の音量が大きいと考えられますので、AUX1のマスターフェーダーを少し絞ってあげましょう。
そして、Zoomの入力を接続した15chのAUX1のつまみは上げないこと!これがマイナスワンです。マイクやCD、ZoomなどN個の音声入力からZoom音声のみを抜いてあげたAUX1が、今回必要なN-1となります。(今回の会場では16chにもZoomの音が入ってくるので、このchも上げてはいけません)
左は、今回の説明で上げたオーディオインターフェースとケーブルになります。 オーディオインターフェースには様々なものがあり、値段もピンキリでこちらはキリに近いものです。Zoomで最低限の役割はするかなと思われます。 またケーブルは、オーディオインターフェース側の端子「RCA」とミキサー側の端子「6.3mmTSフォーン」での使用を前提としたケーブルになっています。音響端子の形状ははいくつかありますので、それぞれ適した端子のもの、適した長さのものをご購入ください。 |