vMixとは、Windows上でVideo Mixer&エンコーダーとして動作するソフトウェアベースのビデオミキサーです。

vMixの動作に必要なのは、Windows10以上とDirectX10互換のグラフィックカードを搭載したデスクトップPCまたはノートPCとなります。動画作成でよく用いられるAdobeのPremiereやAfterEffectに適しているグラフィックカードは、OpenGLに対応したQuadro系のグラフィックカードになります。しかし、vMixは、ゲームなどでも使用されるDirectXが必要となります。よってGeForce系のグラフィックカードという事になります。

よく、どんなパソコンで動きますか?という質問を受けます。 いわゆるゲーミングPCから選んでください。CPUはCore i7-12700H以上、グラフィックボードはGeForce RTX 3060以上。メモリは16GB以上。ストレージはSSD(M.2 SSD)が必須ですが、出来れば2つ載っていると。デスクトップであれば、PCI ExpressDecklink Quad HDMI Recorderなどを挿してと簡単ですが、ノートPCの場合、映像入力の問題がついてきます。Thunderbolt 4端子があれば、そこにUSBカメラを複数台接続したり、PCI Expressを増設したりも可能になるので、ノートPCならThunderbolt 4が必須でしょう。

もちろん、vMixをどの程度酷使するかにもよりますが、結構高パフォーマンスなゲームPCが必要となります。もし業務で使用したいとか、HDMIやSDI入力を使用したい、出力を3つ(オペレーション、返し、返しとか)ほしい場合などは、デスクトップPC環境をお勧めします。ただ、デスクトップの場合、既存のよく売っているメーカー製では、欲しい性能を満たさないかもしれません。それが何かというと、「Z690系」や「X299系」というマザーボード。そのPCIeのスロット数なんですね。上段でも書きましたが、HDMIやSDI入力を使用するにはPCIeのキャプチャーボードを使うことになりますが、それが挿せるかがこのマザーボードで変わってくるのです。

同様のソフトウェアベースのビデオミキサーとしては、OBS(Open Broadcaster Software)やXSplit、Wirecastなどが挙げられます。私も以前、OBSやWirecastといったソフトウェアベースのビデオミキサーを使用していました。また、Tricasterを使用していた時期もありました。近年はもっぱら配信用途としてvMixを使用しています。

vMixが他のOBSやWirecastよりも優れているのは、MultiViewOverlayとvMix Callという遠隔地にいる相手と簡単につなげられる手法、そして安定性です。また、ショートカットやトリガー、Scriptなど、カスタマイズや自動化できる部分が、とても多くある部分もポイントです。

MultiViewOverlayとショートカットは、ハードウェア系のRolandやATEMのスイッチャーではとてもできない部分です。いわゆるスイッチャーという見た目がありますが、vMixでもP.I. Engineering X-Keys社のX-keys XKE-124 T-barというコントローラーを使うことができます。

しかも、好きなボタンに好きなショートカットを割り当てることができます。ハードウェア系のRolandやATEMのスイッチャーだと、各ボタンの機能はあらかじめ決められていて、合成画面を作ったり、合成画面から合成画面に切り替えたりが面倒なものもありました。vMix+X-Keysの組み合わせならば、10個以上のレイヤーを合成した画面を1つのボタンに割り当てることができ、それらをボタン1つで切り替えていくことができます。合成部分の一部を次々に変えていくのも、自分の好きなボタンに割り当てることもできます。

まさにvMixは、使い込めば使い込むほど自分色に染まっていくスイッチャーです。

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